まだ工事中の住宅です。高度な仕口や継ぎ手を組み合わせて刻まれた部材は組み立てるだけでも大変な作業。金物で力任せに引っ張ることは出来ないため多くの大工さんに手伝ってもらっても建前に2週間の時間を要しました。しかし壁もない骨組みだけの状態でも建物がほとんど揺れることはなく木組みの強さを実感できるものでした。
(左上)南東からの外観、一階部分はよろい壁がつく予定。
(右上)廊下部分、一尺二寸の厚鴨居が両脇に見える。
(左下)二階東面の庇。垂木は大きめの三寸角。
(中下)南面外観。仕上がった漆喰壁は日が当たるとまぶしいくらい。
(右下)1階和室。畳がまだ敷かれてないが規則正しい木の演出が美しい。
(左)建前、骨組みが組みあがったところ。
(右上)土壁のための竹小舞を組んでいるところ。
(右下)小屋組みの丸太梁がかかった。
(左上)二階の床の間、ケヤキを床柱に使用。
(右上)1階、八畳の和室が四つ隣接している。建具をはずせば大広間に。
(左下)玄関土間。細かい格子からの繊細な光。
(中下)薄暗い階段から明るい二階へと続く。
(右下)冬の日差しは廊下を照らし、反射して室内の天井を照らす。
(上)肘木と呼ばれる彫刻された部材はうまく荷重を柱に伝える。
(下)改修後の前景。
(上から1番目)高欄部分の改修。(2番目)ほぼ元どうりに改修された高欄(3番目)本堂のとなりのある事務所との間に新たに取り付けた庇部分(4番目)改修前の前景。(5番目)加工場にて肘木の彫刻をする。
豊田市にて檀家様方の要望により老朽化した本堂の高欄を主に改修しました。創建は江戸時代。柱が大きく傾いた箇所などもあり、ジャッキを用いて立て起こしたり、見た目よりも大掛かりな工事となりました。高欄部分は前面に見える側の板は使われていた板をもう一度削り直し、両脇は新たに作り直しました。高欄はなるべくもとの形に近い形に、そして新たにとなりの建物との間に庇を取り付けました。現代の思いも込めてこの先も永く使っていただけるようにと、単に壊して新しくするのとはまた違った大切さを痛感しました。