技術・技能

トップページにもどる

長年かけて培われた伝統的な木造工法は木に無理をさせない非常に合理的な技術です。組んでゆくことによって全体的に柔軟で強固なものとなり、さらに湿気に配慮された木造建築は長く持つこととなります。古い民家の深い庇は雨から木を守ると同時に夏の日差しを遮り、冬は日を入れる重要な役割を果たします。

伝統的な木組み

東白川の伝統的な民家の工法「鴨居ざし」。名のとおり分厚い鴨居がそのまま梁や胴差しの役割を果たし「打ち出しホゾ」と呼ばれる長いホゾは柱をつき抜け、組むのに手間がかかりますが引き抜けることはありません。

(左)持ち出した深い庇
(右)材木置き場に置かれた刻み終えた材料
鴨居差し工法の仕口部分
技能

熟練して磨き上げられた技能。経験がないとわからない微妙な感覚。それは一朝一夕に得られるものではなく、言葉だけでは伝えることが困難、ひたむきに積み重ねてようやく身に付いていくものです。それがあってはじめて伝統的な木組みは実現します。近年手作業は機械が担うようになり、なるべく個人の技能に頼るようなものつくりは減っていきつつあります。経済的な理念に即した手法ですが、すべてそうなる必要はないだろうと思います。人が使うものを自然素材で人の手でつくる、それって素敵なことではないでしょうか。

文化を伝える